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  3. 未経験の業種に転職

未経験者

現職に不満を持って転職を希望する人の中には、これまでの仕事とは全く違った未経験の分野で働いてみたいと考える人もいることでしょう。
将来性を感じられない業種分野では、定年を迎えるまでの数十年の間にかなり淘汰をされる可能性もあるので、中年以降の年代になって突然退職を勧告されることにもなりかねません。
そうした場合に備える意味でも、新たな産業分野に若い時期から就職をしておきスキルを身につけておくということは重要な将来に対する備えとなります。
ですが新しい業種に転職する場合には、一度それまでのキャリアを抜けてゼロからスタートをすることにもなります。
ほとんどの職種の場合、経験者優遇として募集をされていますが中には「未経験者可」として積極的に経験のない人も募集をしている企業もあります。

ですが「未経験者可」という募集要項であっても、実際に応募する前にはちょっと注意して求人情報を見てみるようにしてください。

経験者

というのも、本来ならば即戦力になる経験者が来てくれた方が嬉しいというのは企業側にとっては当然のことなのに、あえて未経験者を優遇するというからにはそれなりの理由が考えられるからです。
まず最も考えられる理由としては、その仕事に応募をする人が極端に少ないという企業の場合です。
業界全体が伸び盛りで転職者が多くてうまく人が集まらないという場合や、反対に業種全体が不人気なので経験者を募集しても応募してくれる人が少ないというような場合があります。
またその企業がちょうど事業拡張の時期にきていて、人手が少しでも多く欲しいというような場合にも未経験での人材を積極的に募集することがあります。
業種・業態といった社会的要因やその企業個別の要因など一概に決めつけはできませんが、未経験者可の仕事に応募するときには、まずなぜ未経験でもよいのかということを少し探ってみるとよいかもしれません。

次に実際に未経験者可の仕事に採用される場合について考えてみます。
未経験者でも募集がされているということは、裏を返せばその仕事は未経験者であってもできる専門性がそれほど高くない仕事というふうに考えることができます。
社内にきちんとした研修システムがあって、未経験者でも一定の期間研修を受ければ正社員として活動できるといったところもありますが、ほとんどの企業では未経験者は同僚や上司から個別に指導を受けながら業務を担当していくことになります。
すんなり新しい仕事になじめればよいのですが、思うように仕事を覚えることができなかったり、研修期間を過ぎても業績を数字にすることができなかったりという場合には、時に試用期間終了と同時に雇用を中止されてしまうこともあります。
未経験で新たに仕事を始めるときには、同業種への転職よりも数段大きい努力をしなければならないという覚悟はあらかじめもっておきましょう。

また仮に未経験者に対して手厚いサポート体制がある企業であっても、転職者本人の心理的な面で負担が大きいということもあります。
年下や性別の違う同僚・上司に指導してもらったりといったとき、それを素直に受けられるかということも未経験者可の仕事のポイントです。